はじめまして、さきがけデジタルの須藤と申します。
私は主に、FigmaやStudioを使って、ウェブページのデザイン業務や、Adobe系ソフトを使用したクリエイティブの制作を担当しています。
今回は、Photoshopを使ったレタッチの過程を紹介していきます。
今話題の画像生成AI。すでに仕事の中で活用している方も多いのではないでしょうか。
本記事では、生成AIを利用して、写真の雰囲気をガラリと変えてみました。
フリー素材の写真を使って、あえて実務ではやらないレベルの加工を、遊び半分で施してみました。
Photoshop 2024(バージョン25.0)から、画像の生成塗りつぶし機能が使用できます。
まずはレタッチ前後の写真をお見せします。
いかがでしょう!全然雰囲気が違いますね!!
加工前は、部屋着の女性と猫ちゃんの写真です。
これを、画像生成AIを駆使して、お外でくつろいでいるようなシーンに加工していきます。
1.着替える
まずは女性の部屋着を、お外を出歩けるきれいめワンピースに着替えてもらいましょう💃
服だけをきれいに選択することで、ポーズを変えずに生成できます。
簡単に何パターンも試せるのが良いですね。
生成パターンを残しておくと、ファイルのデータ量がどんどん大きくなります。
使わないものは、適宜削除をおすすめします。
失敗例もご紹介します。
手の生成はまだ苦手な感じですね。女性も「ぽっこりお腹」になってしまいました😅
指が増えているうえ、「猫っぽい何か」が生成されてしまっています😱
こちらの結果は、一見違和感がなさそうです。
しかし元写真と比べると、女性の体型が、着ぶくれの域を超えて少しふっくらしているように見えませんか?
このように服装を生成するときは、結果によりモデルの体型が変わって見えることがありますので、注意が必要です。
今回はこのニット風の服で進めていきます。
2.おしゃれする
生活感が出てしまうヘアバンドは、外したいところです。
髪の部分だけを選択して、プロンプトは入れずに生成すると、いい感じに消えました。
前髪は残すと、自然に仕上がります。
指輪やイヤリングなどのアクセサリーもつけてみましょう。
指輪は、選択範囲の幅で太さを調整できます。
イヤリングもつけました。
プロンプトは「長めのタッセルイヤリング」です。
これで、被写体の加工は完成です✨
3.場所を変える
公園のような、緑のある風景に背景を変えていきます。
ここでも被写体(人、猫)だけをきれいに選択することで、ポーズを変えずに生成できます。
理由は後述しますが、このとき、☆被写体だけをマスクしたレイヤーを残しておくことをおすすめします。
選択範囲を反転して、背景を生成します。
プロンプトは「新緑の自然豊かな都会の公園、木製のベンチ」。
いい感じのロケーションになりましたが、女性と猫の顔が不自然に歪んでしまいました。
元画像のレイヤーを非表示にすると、
このような感じで、選択範囲より少し余分に生成されています。これが歪みの原因です。
このまま被写体があった場所を大まかに囲み、プロンプトを入力せずに生成すると…
背景だけの画像が作れます!
ここで、先ほどの☆被写体だけをマスクしたレイヤーを上に重ねます。
いかがでしょう?かなり自然な感じに合成できました!
4.微調整
あとは、細かな不自然さを取り除いていきます。
フリンジの削除や、明るさを調整して…
✨️完成です✨️
改めて加工前の写真をご覧ください。
おまけ
「秋田っぽい要素があってもいいのでは」というご意見をいただいたので、
猫を秋田犬にしてみました。
良くも悪くも、要素の差し替えも簡単にできてしまいます…
いかがでしたか?
生成AIの登場により、Photoshopの基本的な操作だけで、ここまでの加工ができるようになりました。
商用利用には、慎重な検討が必要な部分もありますが、うまく活かせば制作の幅を広げることができます。
とても便利な画像生成AIですが、捏造・詐欺など、くれぐれも悪用はお控えください。