はじめまして、さきがけデジタルの須藤と申します。
私は主に、FigmaやStudioを使って、ウェブページのデザイン業務や、Adobe系ソフトを使用したクリエイティブの制作を担当しています。
今回は、Photoshopを使ったレタッチの過程を紹介していきます。
今話題の画像生成AI。すでに仕事の中で活用している方も多いのではないでしょうか。
本記事では、生成AIを利用して、写真の雰囲気をガラリと変えてみました。
フリー素材の写真を使って、あえて実務ではやらないレベルの加工を、遊び半分で施してみました。
Photoshop 2024(バージョン25.0)から、画像の生成塗りつぶし機能が使用できます。
まずはレタッチ前後の写真をお見せします。
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いかがでしょう!全然雰囲気が違いますね!!
加工前は、部屋着の女性と猫ちゃんの写真です。
これを、画像生成AIを駆使して、お外でくつろいでいるようなシーンに加工していきます。
1.着替える
まずは女性の部屋着を、お外を出歩けるきれいめワンピースに着替えてもらいましょう💃
![](https://images.microcms-assets.io/assets/98b5e51ecc1746abb6eb5d04e4927cc9/1977044caf4b44f2bfd6b905f351f7cd/blog_20241002_01.webp)
服だけをきれいに選択することで、ポーズを変えずに生成できます。
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簡単に何パターンも試せるのが良いですね。
生成パターンを残しておくと、ファイルのデータ量がどんどん大きくなります。
使わないものは、適宜削除をおすすめします。
失敗例もご紹介します。
![](https://images.microcms-assets.io/assets/98b5e51ecc1746abb6eb5d04e4927cc9/3f425b2ce08d4b8b8b1dd971f080e2c7/blog_20241002_b.webp)
手の生成はまだ苦手な感じですね。女性も「ぽっこりお腹」になってしまいました😅
![](https://images.microcms-assets.io/assets/98b5e51ecc1746abb6eb5d04e4927cc9/5e7f65f8a41544c9aef78bccdfc8d425/blog_20241002_a.webp)
指が増えているうえ、「猫っぽい何か」が生成されてしまっています😱
![](https://images.microcms-assets.io/assets/98b5e51ecc1746abb6eb5d04e4927cc9/324bdc0f94c145768ed6bfa2e99cd7f3/blog_20241002_c.webp)
こちらの結果は、一見違和感がなさそうです。
しかし元写真と比べると、女性の体型が、着ぶくれの域を超えて少しふっくらしているように見えませんか?
このように服装を生成するときは、結果によりモデルの体型が変わって見えることがありますので、注意が必要です。
![](https://images.microcms-assets.io/assets/98b5e51ecc1746abb6eb5d04e4927cc9/0a0d5f4f4f714a69a7365acf2009fb73/blog_20241002_05.webp)
今回はこのニット風の服で進めていきます。
2.おしゃれする
生活感が出てしまうヘアバンドは、外したいところです。
髪の部分だけを選択して、プロンプトは入れずに生成すると、いい感じに消えました。
前髪は残すと、自然に仕上がります。
![](https://images.microcms-assets.io/assets/98b5e51ecc1746abb6eb5d04e4927cc9/237783a391ae4a859e9cd7d84bb7bcd4/blog_20241002_06.webp)
指輪やイヤリングなどのアクセサリーもつけてみましょう。
指輪は、選択範囲の幅で太さを調整できます。
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![](https://images.microcms-assets.io/assets/98b5e51ecc1746abb6eb5d04e4927cc9/40c81731bfd8437bbf69fa131c395aec/blog_20241002_10.webp)
イヤリングもつけました。
プロンプトは「長めのタッセルイヤリング」です。
これで、被写体の加工は完成です✨
3.場所を変える
公園のような、緑のある風景に背景を変えていきます。
ここでも被写体(人、猫)だけをきれいに選択することで、ポーズを変えずに生成できます。
理由は後述しますが、このとき、☆被写体だけをマスクしたレイヤーを残しておくことをおすすめします。
![](https://images.microcms-assets.io/assets/98b5e51ecc1746abb6eb5d04e4927cc9/129ca5eb94844489bbc0c0354459ebfd/blog_20241002_11.webp)
選択範囲を反転して、背景を生成します。
プロンプトは「新緑の自然豊かな都会の公園、木製のベンチ」。
![](https://images.microcms-assets.io/assets/98b5e51ecc1746abb6eb5d04e4927cc9/6a5e9f23d8554736a1a6da03da45d9bc/blog_20241002_12.webp)
いい感じのロケーションになりましたが、女性と猫の顔が不自然に歪んでしまいました。
![](https://images.microcms-assets.io/assets/98b5e51ecc1746abb6eb5d04e4927cc9/e113944027b34ec5b92b1edaa1f49ad9/blog_20241002_13.webp)
元画像のレイヤーを非表示にすると、
このような感じで、選択範囲より少し余分に生成されています。これが歪みの原因です。
![](https://images.microcms-assets.io/assets/98b5e51ecc1746abb6eb5d04e4927cc9/f263a01cbb1d42049dd5bcee230c4ee1/blog_20241002_14.webp)
このまま被写体があった場所を大まかに囲み、プロンプトを入力せずに生成すると…
![](https://images.microcms-assets.io/assets/98b5e51ecc1746abb6eb5d04e4927cc9/d2fa5331f59e4a23a24ee8834ef9d3bc/blog_20241002_bg.webp)
背景だけの画像が作れます!
ここで、先ほどの☆被写体だけをマスクしたレイヤーを上に重ねます。
![](https://images.microcms-assets.io/assets/98b5e51ecc1746abb6eb5d04e4927cc9/f406670746934227a4700a9bdabceb16/blog_20241002_15.webp)
いかがでしょう?かなり自然な感じに合成できました!
4.微調整
あとは、細かな不自然さを取り除いていきます。
フリンジの削除や、明るさを調整して…
![](https://images.microcms-assets.io/assets/98b5e51ecc1746abb6eb5d04e4927cc9/6c853a2119cd491abeb594f8c38380e5/blog_20241002_after.webp)
✨️完成です✨️
改めて加工前の写真をご覧ください。
![](https://images.microcms-assets.io/assets/98b5e51ecc1746abb6eb5d04e4927cc9/d5edb0520e1e4939b07feb1d2b2a7456/blog_20241002_before.webp)
おまけ
「秋田っぽい要素があってもいいのでは」というご意見をいただいたので、
猫を秋田犬にしてみました。
良くも悪くも、要素の差し替えも簡単にできてしまいます…
![](https://images.microcms-assets.io/assets/98b5e51ecc1746abb6eb5d04e4927cc9/b2cd228cdc4c4882a9084ff09be3c947/blog_20241002_omake.jpg)
いかがでしたか?
生成AIの登場により、Photoshopの基本的な操作だけで、ここまでの加工ができるようになりました。
商用利用には、慎重な検討が必要な部分もありますが、うまく活かせば制作の幅を広げることができます。
とても便利な画像生成AIですが、捏造・詐欺など、くれぐれも悪用はお控えください。